九州で鶏刺しの食中毒が発生した。
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久々、と言いたいところであるが、鹿児島でも昨年霧島市の飲食店で鶏刺しが原因の食中毒が発生している。
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鹿児島や宮崎の鶏刺しは安全である…ということは全国的にも認知されてきて入るのだけれど、こういうニュースがあるとやはり食品衛生に絶対は無いなというのが本音である。
実はなぜ鹿児島の鶏刺しは安全なのか?という事についてきちんとした話を聞きたいと思い、ちょいちょい色々なところに取材の申込みをしている。
今のところそれこそ衛生上の問題や、厚生省の指導からするといわゆるグレーゾーンに当たるということもあり、加工をしている所を見せてもらえるというのは難しいという返事が多い。
そんな中、メールでのやり取りであれば質問にお答えできますよという大手食肉加工業者の方がおり、かなり詳しく話を伺うことが出来た。
安全な捌き方は無い
実際に話しを聞くまで、自分はこんなふうに考えていた。
「鹿児島の鶏刺しは、リスクを避けるためのマニュアルがある。それには捌き方や作業する場所などについて細かな指示があり、食肉加工業者や鶏刺しを出している飲食店はそれを遵守しているから安全なのだ」
実際、九州などで行われている鶏の捌き方で「外剥ぎ方式」というのがあるというのは耳にしていた。
この解体方法は内蔵と肉が触れにくく、細菌汚染のリスクが低いとのことで、おそらくこれが鶏刺しが安全な理由なのだろうと思っていた。
ところが話を聞いてみると、確かに外剥ぎはリスクは低いのだが、1羽1羽処理しなくてはいけないので、大量の鶏を捌かなくてはいけない大規模な工場では難しい。
そしてそもそも鹿児島の大規模処理場では外剥ぎは認められていないということであった。
つまり、鹿児島県内の食鳥処理施設で処理され、鶏刺しとして流通している鶏の大部分は他の県の捌き方と大差は無いということらしい。
捌き方は同じであっても、その後の処理や検査・温度管理が加工用と生食用とでは大きく違っており、ここが生食用と加工用を分ける差となっているわけだ。
よく言われている「鶏肉の新鮮さ」は関係なく「生食用として処理・管理されていたか」がポイントなのである。
改めて県のガイドライン的なものを読んでみると、あくまで県が出しているのは「衛生基準」だということが分かる。
内蔵と肉が触れないように気をつけてくださいの旨があり、器具を洗う温度などは指定されているが、その程度である。
実際に調理場を工夫したりマニュアルを作っているのは食肉業者や飲食店なのである。
どこに行っても安全な鶏刺しに慣れきってしまっている自分は「安全な鶏刺し加工法」のような銀の弾丸があるものだと錯覚してしまっていたが、鹿児島の安全な鶏刺しは「安全な鶏刺しを提供するためにみんなが衛生管理を頑張っている」という根性論で守られているようだ。
鹿児島でもリスクが高い場所はある
件の業者の方は「大手工場で処理するからこそできる安全基準がある」という旨の話をされていた。
裏を返せば小規模な処理場では出来ない衛生管理、難しい衛生管理もあるということだ。
スペースの都合上、専用の処理スペースを割けないところもあるだろうし、解体した後の肉の急冷に関しても工場レベルの機器と個人店の機器では大きな差がありそうだ。
HACCPやISOなどの厳格な工場内マニュアルと、個人の裁量が大きい店舗では多少リスクに差がありそうだ。
それでも食肉加工に関わる企業・精肉店はこと鶏刺しの衛生管理に関しては厳格にやっていると思う。
リスクが高いのはおそらく飲食店である。
こと鹿児島・宮崎で鶏刺しを扱う店の多くは焼き鳥を始めとする鳥料理も提供されている。
調理場に生食用と加熱用が同居していれば汚染のリスクは増える。
直接接触がなくても調理する人の手指や調理器具経由など、汚染リスクは多い。
温度管理も難しい。
また、飲食店では鹿児島県でも推奨されていない砂ズリやレバーなどを出す店もある。
もちろんこれらは食肉処理場から生食用として流通することは無い。
精肉店や鶏肉やさんで売っている砂ズリやレバーを自己責任で自宅で食べるのはしょうがないとして、飲食店がこれらの部位をお客さんに提供するのはリスクが高すぎると思う。
県外の人が安全な鶏刺しを食べるには
精肉店の鶏刺しを扱っておきながら言うのは大変申し訳ないのだが、一番リスクが無いのはスーパーで売られている鶏刺しである。
個人的にはほぼ100%安全だと言っていいと思う。
精肉店もほぼ安全、だと思う。
工場で処理された丸鶏を仕入れて捌いているところが多いと思うので…。
ただ時折「刺身用として販売していません」というところもあり、これはどこかが県の安全基準を満たしていないという事なのかもしれないので勇気が必要になってくる。
飲食店は上記の通り、鹿児島といえどもリスクがちょっと上がると思う。
非推奨部位がメニューに有るところはちょっと用心しちゃうなー。
今度はぜひ鹿児島県の役所の人にお話を聞いてみたいところである。