年末に鶏刺し店の未来を考える

佐藤精肉店の鶏刺し

最近少ない余暇の時間をApexLegendsというゲームに充てていて、アカウント名をtorisashi-loveにしているのですが、わざわざボイスチャットで「鶏刺し美味しいですよね!」と言ってくれる人がいます。
嬉しい反面「ちゃんと安全な鶏刺しを食べているか…!?」と心配になります。ちゃんと鹿児島の鶏刺しを食べてね。
んで、クリスマスには丸万の鳥たたきを買って「鹿児島のクリスマスは鶏刺しだ!」とイキリ散らかそうと思ったら丸万が鳥たたきの持ち帰りを辞めていたので泣く泣くもも焼きを買って帰りました。
そんなわけで鶏刺し締めに失敗してしまった年末ですが、1年の終わりなので鶏刺しの将来についてちょっと考えて見ることにします。

全国的に鶏刺しが話題になるのは、ほぼほぼ食中毒の事件のときで、しかも大体お店が生食用でない鶏を自身の判断で提供してしまってというパターン。
その度に食品衛生警察がやってきて、いかに鶏の生食が危険かということについて語りそれがバズり鶏刺しを規制せよ!みたいな流れになる、というのが恒例になっています。
まあそんな感じで、いくら鹿児島県が鶏の生食文化を守るために頑張っても、年々鶏の生食に対する風当たりは強くなる一方です。
その反面、鹿児島の鶏刺しに対する取り組みについての情報も少しづつ広まって来ており、鶏刺しの危険性と同時に「鹿児島ではこういった取り組みがされている」と続く事も目にしているので、県内の鶏刺し業者並びに鶏刺し愛好家がコツコツと情報発信していくのは大事だなぁと思う次第です。

ところで県内のあちこちの鶏刺し店を訪れるたびに思ったのが、お店が年季が入っていて渋い!
そして家族経営の店が多いということです。
鶏刺しが美味しい!と言われていて地域で有名なお店でも、極小スペースで店主が一人、もしくは夫婦で切り盛りしているお店の多さ。
儲かんないのを頑張って回しているんじゃないかと心配になります。

確かに大体老舗的なお店に行って、4~500gくらい購入しても高くて1,500円前後。
一応精肉店ではあるし、ブランド鶏でもない限りそこまで値段を上げられない…のかもしれない。
しかし、生食を堂々とうたえるのは鹿児島だけなわけで、鶏刺しが全国的に食べられない昨今、もうちょっと値段を上げてもイインダヨ!と個人的には思います。
実際の老朽化は店舗運営を左右する問題ではあるらしく、鶏刺し専門店ではないですが真砂の肉の名治屋は、店構えを結構きれいにしたりメンチカツを押し出していたりで「おっ、後継ぎの人が頑張ってるのかな…」と思っていたら突然店舗の老朽化ということで閉店。
えぇ、お店きれいにしてたけど外観だけだったの…、まあ、老朽化は理由の一つで他にも色々問題があったのかもしれないですが。

そしてもう一つ、家族経営なんですが年配の方が切盛りしている割合も高く、跡継ぎ問題も結構アリそうです。
老舗店舗で僕世代の店主さんがいると「おお、とりあえず跡継ぎがいたんや…」と安心しますが、「このお店、店主が体調崩したりしたらどうなるんや…」と勝手に心配してしまう店もあります。
もっとも家族が一番親の代の台所事情を知っているわけで、親がガンガン儲けていればちょっとやってみるか!となりそうですが…うーん。

素人考えだと大摩桜みたいに、色々な部位を小分けして希少部位みたいな売り方をして単価を上げたり出来ないかなとも思いますが、そもそも大摩桜はブランド鶏の直営っぽいので、卸した肉を捌いて売る小売店では難しいかもしれないですね。
多くの店で県外発送もやっていますが、ショップを開いて県外の人にPRする店は一部で、そもそも小さなショップは通販用のカートとして設置しているだけできちんと県外にPR出来ている店は少なそう(県内の人が県外の知り合いに送ったりするというのがメインなのかな)です。

鹿児島県が鶏刺し文化を守るべく法整備を行ってくれてはいますが、肝心の消費者が鶏刺しをガンガン食べないと小さな銘店はどんどん減って行ってしまいます。
そんなに多くの店を食べているわけではないですが、複数の店を食べ比べてみると店によって鶏刺しの味は全然違い、鶏刺しの多様性に驚かされるばかりです。
体力のある大手が鶏刺し文化を守れば良いという考えもあるかもしれませんが、このお店に寄る違いも鶏刺し文化の一つではないでしょうか。
私たちは孫の代までこの鶏刺し文化を守るため、鶏刺し店をボロ儲けさせなくてはいけません。
可能であれば毎週鶏刺しを食べ、鶏刺しを食べ支えしていきましょう。

やっぱり年末にもう一度鶏刺しを食べたくなってきたので買ってきます!

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